好景気だと?米国在住者が語る「物価高の厳しさ」
アメリカ経済は、公式統計では「好景気」とされながらも、多くの人々が実感する現実はその表現とかけ離れています。ここでは、物価高が日常生活に与える影響、特にニューヨークやシカゴのような大都市に住む人々の厳しい現状を掘り下げます。
物価高がもたらす生活の苦しさ
2024年3月、ジョー・バイデン大統領は「50年ぶりの低失業率」や「GDPの上昇」といった指標を挙げ、アメリカ経済の好調さを誇示しました。しかし、これに共感する市民は少数派です。
1. ニューヨークの家賃と日常費用
• ニューヨーク・マンハッタンの平均家賃は月80万円にも達しています。
• 自炊のためにスーパーへ行くと、ミルクや卵などの食品の値上がりに驚く毎日。
これでは、一般的な家庭が月々の収支を保つのは困難です。
2. シカゴの状況
• ワンルーム・アパートの家賃が30万円を超えるのが当たり前。
• 地元の人気レストランやタピオカショップが次々と閉店し、街には「テナント募集」の看板が目立つように。
賃金の上昇が追いつかない現実
最低賃金の引き上げや一部職種での報酬アップがあるものの、物価上昇のスピードには追いついていません。
• 例:シカゴのコメディクラブではギャラが25%増えましたが、それでも生活費を賄うには程遠い水準。
都市の変化と夜の街の静寂
• ジェントリフィケーションが進む一方で、ホームレス人口の増加や治安の悪化が懸念されています。
• 飲食店の営業時間短縮により、平日の夜9時以降、食事をとる場所を探すのは困難です。
好景気の裏で進む閉店と倒産
便利なコンビニ「フォックストロット」が突如全店閉店し、シカゴ市民に衝撃を与えました。
• これは「好景気」の裏に隠れた店舗経営の厳しさを象徴しています。
アメリカの「好景気」に潜む課題
データ上では好景気の象徴であるGDP成長や低失業率。しかし、多くの市民が感じるのは、物価高と賃金の不均衡による生活の厳しさです。
アメリカ経済は、一部の富裕層にとっては好調に見えるかもしれませんが、大多数の市民にとっては、厳しい日常と隣り合わせであることが浮き彫りになっています。